伝統産業ガイドブック 2021年3月発行
19/28

辻 大正5年大宮に創業。明治初期に東京赤坂で刺繍業を営み、戦時中は戦地出世旗、大宮国鉄工場の団体旗、皇室祭事などの旗を手掛けていました。近年では、マイナス80℃の南極で耐えられる旗や、チョモランマの山頂でも掲げられる日の丸国旗づくりなど、その技術は今日も進化し続けています。Jリーグ・大宮アルディージャの大旗なども手掛けています。また、大宮氷川神社の祭礼旗も毎年製作しています。【所在地】大宮区仲町2-34<マップD25> 【電話】048-641-0762【営業時間】8:30〜20:00/日・祝日定休武 明治31年創業。料亭や旅館、鰻店の襖や障子の貼替え、掛軸・額・屏風の製作をしてきました。大正5年竣工で、渋沢栄一が愛称「恭慶館」を命名したことでも知られる浦和市公会堂の仕事も手掛け、工事に関わった証として「経師屋 武笠」と刻まれた建設端材が今も保管されています。四代続く伝統の技に、新しい技術を積極的に取り入れ、著名人の作品の額装や、 掛軸や屏風に仕立てる仕事、そのほか凝った和室の内装や、お寺・神社の古い書物の修復・仕立て直しなど幅広い分野に取り組んでいます。【所在地】浦和区高砂3-7-6<マップD38> 【電話】048-822-4946【営業時間】8:00〜18:00/日曜・祝日定休http://www.mukasa-hyouguten.jp/文 創業は慶応3年(1867年)。150年以上の歴史を刻む店内で目を引くのは、勝海舟直筆の書です。5代目原田豊吉氏の妻が勝海舟の姪だったことから、屋号を名付けられた経緯を持ちます。 8代目を引き継ぐ原田一彦氏は、昔ながらの手作業にこだわります。和紙を切るときはカッターでなく小刀を用い、鋸やかんな、竹の釘などを使って襖の芯を作り上げます。浦和区最勝寺や調神社の襖の張り替えを行ない、寺院らしい煌びやかな絵柄も手掛けています。【所在地】浦和区岸町7-1-11<マップD37> 【電話】048-822-6095【営業時間】8:00〜18:00/日曜定休大 新潟から杜氏として酒造りに来た大瀧喜平衛は、春岡、春日部等の蔵で酒造りを始め、後に加倉に定着しました。長女・ますが17歳という若さで分家独立。利根水系の良水に恵まれた七里村膝子の空き蔵で酒造りを始めました。明治17年のことです。越後杜氏から今は南部杜氏に変わり、高い技術力と軟水・利根川水系の素晴らしい水脈に恵まれ、全国新酒鑑評会に清酒九重桜は通算9回金賞受賞の栄誉に輝いています。内 江戸時代中期・安永4年(1775年)、農村地帯だった浦和で、農業を営みながら酒造りをはじめたという「内木酒造」。戦後は酒造業にしぼり、浦和唯一の造り酒屋として200年以上の歴史を刻んでいます。荒川水脈の自社内・地下水を仕込み水に、埼玉県産酒米さけ武蔵を使用した「本醸造うらら」「純米酒純(じゅん)」などの銘酒が肩を並べます。また、「旭正宗大吟醸」は華やかな香り高い、内木酒造の看板酒です。【所在地】桜区西堀6-13-15<マップA39> 【電話】048-862-5734http://uchiki-s.wixsite.com/uchikisake※小売りも有り鈴 清らかな利根川水系である、綾瀬川と元荒川に挟まれた岩槻周辺は、江戸時代から酒造りが行われてきました。明治4年(1871年)の酒造り創業以来、140年以上も受け継がれてきた名醸「万両」「瑞薫(ずいくん)」「大手門」は、今でも看板酒として肩を並べています。併設された酒蔵資料館では、近年ではあまり見ることのできない、古くから伝わる酒造りの歴史的資料・道具の数々を、後世へ伝えるべき貴重な資料として展示されています。【所在地】岩槻区本町4-8-24<マップD112> 【電話】048-756-0067http://www.sakekura.net/※酒蔵資料館を併設(入場無料、10:00〜17:00、休館:月曜・年末年始)小 清酒の本場・灘で酒造技術を修得した小山屋又兵衛は、武蔵之国北足立郡(現:指扇)に良質で豊かな湧き水を発見、文化5年(1808年)に酒造りをはじめました。その情熱と技術は200年以上も伝承され、日本を代表する清酒メーカーへと発展を遂げます。創業当時、指扇地区が幕府の鷹狩りの地であったことから名付けられた銘酒「金紋世界鷹」は現在、売上げの一部をNPO基金「みどりと川の再生」活動に寄付しており、名実ともに「さいたまの地酒」として知られています。18※マップ番号は、巻末p25・p26をご覧下さい。【所在地】西区大字指扇1798番地<マップA111>【電 話】048-623-0013https://www.koyamahonke.co.jp/つじはたてんぶんじゅどう はらだひょうぐてんうちきしゅぞうこやまほんけしゅぞう工房や作業場の見学ができます。●旗・幕、生地染品●表具●清酒製造●清酒製造要予約に限り、工房や作業場の見学ができます。【所在地】見沼区大字膝子663<マップC210>【電 話】048-683-3006おりえんたるかこうむかさひょうぐてんおおたきしゅぞうすずきしゅぞうお土産品・商品の購入ができます。●煙火(花火)●表具●清酒製造●清酒製造文壽堂 原田表具店内木酒造㈱㈱小山本家酒造㈲つじオリエンタル火工㈱㈲武笠表具店大瀧酒造㈱鈴木酒造㈱地域の特性と深い関連のある事業所リエンタル火工オ 明治34年、大宮町堀の内に進藤煙火工場として創業。花火と加工品の製造を手がけていました。当時、隅田川の花火大会が盛況だったため『地元でも!』という声が上がり、料理屋・旅館・花柳界の三業組合がスポンサーとなり、大正10年に見沼用水に架かる橋(現在の東山旅館周辺)の袂から打ち上げました。それが好評で、大宮花火大会の始まりとなりました。現在も、伝統と経験による高い技術力を持つ職人達の手作りの花火玉は、国内に限らず、海外からも高い評価を得ています。【所在地】大宮区高鼻町1-177<マップB26>【電 話】048-644-8611旗店壽堂原田表具店木酒造山本家酒造笠表具店瀧酒造木酒造

元のページ  ../index.html#19

このブックを見る